フォルクスワーゲン社がEPLANとRittal社の最新ソリューションを導入

フォルクスワーゲン社は自社のサプライヤに対し、VASS規格対応ライブラリとしてEPLAN Pro Panelで使用できる3Dデータの提供を開始することを決定しました。これにより制御キャビネットとそれを構成する部品が、現物と全く同じになる、3Dデータのデジタルツインを表現できることになりました。

この記事にはサマリーを載せています。プレスリリースは下記リンクよりPDFファイルをダウンロードしていただけます。

フォルクスワーゲン社は先日、第6世代のVASS(Volkswagen Audi Seat Skoda)規格を発表しました。これにはEPLANバージョン2.9へのアップグレードも含まれています。この規格は MEBプラットフォーム(注釈:電気自動車専用のプラットフォーム)の車種を生産する工場で用いられており、制御盤システムの設計における3D機能のほか、PLCプロジェクトのプランニングツールによる双方向のデータ交換機能も対応します。さらにRittal社の新しいVX25制御キャビネットシステムも同規格に盛り込まれました。

フォルクスワーゲン社は自社のサプライヤに対し、VASS規格対応ライブラリとしてEPLAN Pro Panelで使用できる3Dデータの提供を開始することを決定しました。これにより制御キャビネットとそれを構成する部品が、現物と全く同じになる、3Dデータのデジタルツインを表現できることになりました。サプライヤにとって制御盤やキャビネットの設計データを活用した製造の自動化を行うための基盤が整います。サプライヤは、フォルクスワーゲン社が用意した完全な設計開発テンプレートのメリットを活かして、より迅速で高品質なシステムの設計・製造・コミッショニングが可能になりました。

統一のとれた工場システムのドキュメント

EPLANの戦略的顧客マネージャーは次のように説明しています。

「EPLAN Pro Panelによる3D機能が追加されたことで、制御盤・キャビネットの自動的なエンジニアリングに向けて製造情報をつなげられるようになりました。設計部門で有効に活用できる機能として、部品の干渉チェックや放熱・消費電力の検討機能も組み込まれていますので、キャビネット内の部品配置を最適化することが可能です。Rittal社の環境制御システムに対してもっとエネルギー効率に優れた設計を実現することもできます。」

ほかにもメリットがあります。EPLAN(ハードウェア設計)とシーメンス社TIA Portal(ソフトウェアによるプロジェクトプランニング)の間でAMLインターフェース(注釈:Automation ML インターフェース)を用いた、完全な双方向データ交換が可能になりました。

「正確な配線ポートのみならず、PLCハードウェアの構成や定義済み入出力、バストポロジーをEPLANから直接インポートできるため、エンジニアリングやシステム設計に必要な労力が大きく削減されます。」また工場システムの運用中や、後々の改造・拡張にも、TIA Portalからの情報をEPLANプロジェクトにフィードバックすることが可能です。

最新の制御キャビネット技術

Rittal社はEPLANと同様に、その大型の制御キャビネットや小型のエンクロージャをもとに、数年にわたってフォルクスワーゲン社の社内規格の一部を担ってきました。Rittal社で自動車分野のグローバル主要顧客マネージャーは次のように話しています。

「最新のVASS規格バージョン6対応ライブラリのリリースでは、当社Rittalの新しいVX25制御キャビネットシステムをベースとした制御キャビネットの3Dリファレンス情報が完全に組み込まれました。」「わずか数回のクリックで制御キャビネットへの配置を開始できるため、設計に必要な作業が大幅に減少します。」

目標はデジタル・マニュファクチャリング

自動車の生産はますます難しい課題に迫られるようになっています。たとえば、これまで以上に頻繁なモデルチェンジやカスタム設計作業、新しい制御技術、保守・修理に対する高い要求など、挙げればきりがありません。そこで、フォルクスワーゲン社はさらなる自動化規格の開発に積極的に取り組んでおり、そうした規格を同社サプライヤへと提示しています。

生産プロセスの一環として制御キャビネットのデジタルツインは、将来の完全デジタルな操業や保守プロセスに欠かせない基盤です。